2011年7月17日日曜日

オフショア編その1


 今回は完全なオフショアの話。以前能登島で完全オフショアにいったときのことは陸っぱり編のままとしたが、今回からはオフショア編としようと思う。ただ以前のものは番号の関係でそのまま陸っぱり編としておきたい。
 7/16(土)早朝5:00前、西海漁港から出てオフショアのジギングに初挑戦。快晴。なぎ。風も穏やか。気温上昇必至。そんなコンディションの中、友人M氏、U氏、彼らの後輩M(彼とは初対面だが、この稿ではそのまま(彼らの)後輩Mとして表記しておく)と私の4人で乗り合い船でジギング。乗り合いといっても私たちだけ。ロッドは3本船頭さんに借りて、のこり1本は私の6.1ftのジギングロッド(4年前に購入)にM氏の6000番のアルテグラをつけたものを使用(このロッドというかリールが結構大変)。全員オフショアのジギングは初めてで、船頭さんに「ひとりくらいベテランがいないかなぁ~」と多少呆れられ、最初は浅めで練習ということに。すこし斜め前に投げて着底したらしゃくりながら巻いてくる。必ず着底させることという船頭さんの指導であった。私はまず借りたタックルで開始。テレビやなんやでオフショアジギングのジャークのイメージはあったのだが、やってみるとそんなにうまくはジャーク出来ない。こんな感じだっけ?と思いながら試行錯誤。借りたロッドにはダイワの4000~4500番のリールが付いていた。そのリールがロッドを持つ右腕にがんがん当たり非常に痛いので右腕にタオルを巻いてみたらこれがなかなか具合がよくリールと右腕がぶつかる衝撃をやわらげてくれる。ラインは4号とのこと。でかいの狙うこともあるので太めとのことである。ちなみにM氏のリールのラインも4号らしい。M氏はよくおぼえていないとのことで最初は3号と言っていたのだが、借りたタックルのものと太さに差がなく、多分4号と訂正。そのアルテグラをつけたタックルは後輩Mが前半使用。このタックルの問題のひとつは我々が適当にリーダーやリングを結束しているということ。我々はみんな陸っぱりの経験ばかりでこの太さのPEラインやらリーダーを結束したことがない、そしてこういう場合のノットを誰も知らないということ。こういう場合たいてい意味のない結び目とかハーフヒッチとか追加してなんだか団子になってあちこちに引っかかるということになりがち。そしてこの日もそういう出来合いのシナリオどおりのことが発生しまくったのである。そしてなにが偉いってその後輩Mが文句言わずに前半戦それを使い続けていたこと。後半戦は私が使ったのだが、変えようかと誘いを入れても、大丈夫っす、問題ないっすといってそのまま使い続けた彼はやはりなかなか潔い。まあ考えてみればこんなアラフォー三人組と一緒に釣りに行くだけでも健気ないい後輩だと私は思う(普段の仕事振りなんて私が知るわけない)。
 さてまずM氏が20cmオーバーのカサゴをあげ、しばらくしてまたM氏が30cmオーバーのナメラをあげる。底付近でゆっくり動かしていたら釣れたとのこと。というのも、下手なジギングを繰り返している我々を横目に船頭さんがインチクで底ものを次々あげていたの見てM氏は底ものならいるのではないかと思ったからとのこと。それからU氏も20cm未満のカサゴがふたつほど。この時点で私の心の中はといえばもちろん「振り回されん」。周りが何をしようが底物をあげようが「ここで『見たもの乞食』チックに飛びつかんぞ」ということ。結果がどうであれ、ただひたすらジャークと心に決めていた。
 それからだんだん深めに移動しながら魚を探す中で、反応が濃いときは船頭さんもわれわれと共にジギング。船頭さんのジャークのスタイルをちょっと遠目に見て、具体的なイメージが私の中で出来上がった感じ。テレビなんかでみてるのと自分の目で見るのとは大違い。もちろん船頭さんとおんなじにはならないのだけれど、まあ自分なりの解釈というかいま自分ができる精一杯の表現というか(そのときの船頭さんのスタイルは反応が顕著な時のスタイルだったはずと推測しているので、反応がそれより少ない時に使うようなもっと力を抑えた感じで長く続けるようなジャークも見れればまた私自身の形も増えたのだろうなと思う)。
 ところで、なぜかM氏は好調でまず最初にフクラギをあげたのもM氏であった。50cmぐらい。M氏いわく底付近。そして次は私にヒット。ジャークのイメージができてきて、だんだんうまくロッドを捌けるようになってきたのが効いたのだろう、きっと(多分きっと)。あげてみるとフクラギ。M氏のと同じぐらいのサイズ。中間層でヒット。次はまたM氏。同じくらいのサイズ。そして次は私にヒット。底付近で食ってきた。これも最初はいい引きで、青物だろうとか言いながら巻いてくると途中から重いだけになり、あがってきた魚の色が違う。ナメラ。40cmほどある。これはこれでフクラギよりもお土産としてはずっと価値が高い。
 この辺でM氏と私には心に余裕が生まれる。その後、U氏がふたつ立て続けにフクラギをゲット。後輩Mだけが苦戦。しかしMは二十歳そこそこの若者なので、「くやしいっす」「つれないっす」「まだまだ大丈夫っす」「絶対釣るぞ」「乗ってくれ」などと叫びながら巻き続ける。思うに若者というものは言葉が先行するものなのだな。自分自身が若い頃も似たようなものだった、ような気がする。みんなだんだんといろいろ経験積んで、いい具合にすこしずつ変わっていって言葉より行動で自己表現するようになっていくんだろう。きっと彼もそうやって変わっていくんだろうなと、勝手に想像してみたり。
 そのうち隣のミヨシにいた後輩Mがラインを団子にしてしまい「これそのまま投げたらまずいっすかね?」なんていっている。相当大きな団子で「それは無理だろ」といいながら、私が解くつもりでロッドを交換してやる。ラインが太いので多分解けるだろうと見越したというものあるが、やりにくいアルテグラ(後輩Mが途中で気が付いたのだが、ベイルのラインローラーのすぐ横にヒビが入っていて、ベイルを起こすとそこにラインが毎回引っかかる)で健気に続けていて、しかも釣れてない後輩Mを少し助けてやろうというものある(おい、ほんとの先輩二人が気にしてやらないでいいのか?)。そしてロッドは自分のものだから、このロッドで魚を一匹はあげたいというのものある。実際団子は2分ほどで解け、私はそのままアルテグラのついたロッドを使うことにした。
 そうこうしているとU氏がアイナメをあげる。40cmぐらい。あんなのも釣れるんだなという感じ。U氏のヒット中に、私が先ほどまで使っていたロッドとジグをそのまましゃくっていた後輩Mについにヒット。フクラギである。やはり同じような大きさ。船頭さんも一安心。そしてまたもやU氏が40cmぐらいのアイナメをゲット。なかなかあがってこないので船中ではガンドか?と期待していたのだが、実はスレ掛かりだっただけ。
 その後、後輩Mがつけたジグを外し、メタルジグもフックも自分のもの(ブルピンの120gとフロントアシストフックのうちのひとつを飾りつきのものにしたジグ)と付け替えたらあっさりヒット。これも底付近でのヒット。しかしなんだか引きが弱い。これは青物ではないなと思ったら、アイナメ。40cmぐらい。船頭さんが後輩Mのフクラギを血抜きしていたので、私も自分の上げたアイナメを血抜き。船頭さんいわく、神経締めと血抜きを兼ねて背骨を切ってしまったほうがいい、とのこと。そのとおりにやってみる。アイナメは背骨が柔らかいので簡単。血抜きしていいなら最初のふたつもしておけばよかったなと思うがいまさらである。船が血だらけになるのでちょっと遠慮したのだが。
 その後、私にまた底付近でヒット。なんだか重い。大きいのかなとも思ったがあんまり引かないのでどういうことかなと思ったら、U氏と同じアイナメのスレ掛かり。40cmオーバー。そのすこし後、後輩Mが30cmぐらいのアイナメをヒットさせる。
その後は船中全員のあたりが遠のいた。しばらくしてインチクに変更したM氏が20cmぐらいのカサゴをテンポよくあげる。ポイント移動中に聞けば、インチクのタコベイトに餌(魚の切り身)をつけているとのこと。船頭さんもつけていて、この餌も船頭さんからもらったものだと言っていた。インチクに餌をつけるとよく釣れるそうである。
 さてもう正午をまわり、最後のひと流しと船頭さんから宣言が出て、最後にもう一匹来ないかなとおもいながら巻き始めるとヒット。小さいし底だし、きっとアイナメとおもったらやっぱりそうであった。これは30cmオーバーくらい。最後のほうはアイナメばかり。
 結果はフクラギ1、ナメラ1、アイナメ3。M氏は最初のほうのナメラ1とフクラギ2、後はこまかいカサゴ数匹。餌をつけて釣ったやつはノーカウントとしたいところである。U氏はフクラギ2、アイナメ2、小さいカサゴ2。後輩Mはフクラギ1、アイナメ1。
 料金はひとり1万円で貸し竿料は1本千円。借りたタックルのリーダーは最初から付いていたのもあったが、付いていないものは最初だけ船頭さんにお願いしたら快く引き受けてくれた。時間は長く、暑い日であったが、意外と疲れは少ない。なぜか私は体力的には絶好調で、ひとりでひたすら激しくジャークし続けていたにもかかわらずまだまだ続行可能なほどであった。そもそもそんなに暑いと思わなかったくらいである。実家が近所の後輩Mと別れ、のこり三人で風呂に入り、ついでにそこの休憩所で仮眠してから帰宅。

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